古い歴史あるニューヨーク市地下鉄。
これまでにいくつもの新しい駅が開業する傍ら、時代の流れにより沢山の駅が閉鎖されてきました。
それらの駅は現在では形が残っておらず、残っていたとしても遺構の一部であったり朽ちてしまっているものがほとんど。
またはアクセスできない場所にあるため確認できない場所にあることが多いです。
しかし、今回訪れた「旧シティホール駅」はなんと、110年前の開業当時そのままの状態で現存する、世界的にも珍しい幽霊駅。
普段はアクセスできない場所にあるのですが、「とある裏技」を使えば合法的に観に行くことが可能となっており、ニューヨークの知る人ぞ知る、都市伝説的なスポットとなっています。
ずっと行ってみたいと思っていた場所にようやく訪れることができたので、その記録を残します。
【この記事の内容一覧】
70年以上前に閉鎖されたNY幻の閉鎖駅(幽霊駅)
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今回取材班(私)が訪れたのは「City Hall Station(シティホール駅)」
「ニューヨーク市庁舎」の名前の通り、市庁舎の真下に作られた、現在は使用されていない閉鎖駅です。
ニューヨークの地下鉄駅には沢山の閉鎖駅が存在するのに、なぜこの駅がカリスマ的人気を誇る駅となっているのか。
それは、開業して110年、閉鎖されてからも70年以上立っているのに、現在もほぼ当時の姿のまま。
そして、どの駅よりも豪華絢爛で美しいことが理由です。
アメリカの場合、駅が閉鎖されると勝手に侵入され、落書きだらけになってしまうのがデフォルト。
しかしこの駅はとある理由により侵入されることがなく、そして解体されることもなく、このような美しい状態のまま現存することができたのです。
それでは、この駅の歴史について遡ってみましょう。
旧シティーホール駅|City hall station(1904-1945)
City hall station(旧シティホール駅)は、ニューヨーク市地下鉄IRTレキシントン・アベニュー線にかつて存在した駅。
当時のマンハッタン本線(現在のレキシントン・アベニュー線とブロードウェイ-7番街線)の南側終着駅として1904年10月27日に開業。
City hall(市庁舎)の敷地内の地下に建設され、当時は「シティホール・ループ駅」とも呼ばれており、市庁舎の真下をぐるっとまわるように走行していました。
市庁舎は現在も同じ場所に位置しており、その地形は地図で確認できます。
旧シティホール駅は市庁舎の最寄駅と言うことで、時代の最先端のものを建てようという流れにとなり、スペイン人の建築家ラファエル・グアスタビノ (Rafael Guastavino) により、ロマネスク・リバイバル調に豪華絢爛に作られました。
これは他の駅に比べてもとても豪華な内装となっており、人々の目を楽しませたと言いいます。
1904年といえば日本ではちょうど日清戦争に突入した年。
そう考えると、いかに当時のニューヨークが最先端であったかが伺えます。(現在もですが)
そんな期待を背負って誕生した駅が、なぜ40年後に閉鎖されてしまったのか。
それには2つの理由があります。
1945年に閉鎖された経緯
ホームの拡張ができなかった
一つ目はホームの拡張工事に対応ができなかったこと。
ニューヨーク市は当時、年々人口が爆発的に増加していました。
地下鉄も輸送力を上げるため、車両を増やしていくことが検討され始めましたが、この駅のホームはとても湾曲していたため拡張工事に対応ができない構造となっていました。
湾曲したホームに対し車両を増やしてしまうと、先頭、後方車両のホームに溝ができます。
そのため、乗り降りが危険となってしまうためです
ホームの拡張工事も検討されましたが、湾曲部分の工事となると、莫大な金額がかかってしまいます。
そのため車両乗り入れできない駅となり、閉鎖することとなりました。
利用者数が少なかった
二つ目の理由が利用者数が少なかったこと。
実はこの駅、市庁舎直結という便利な駅にも関わらず利用者が少なく、徒歩圏内にある”ブルックリンブリッジ駅“の駅の方が利用客が多かったのです。
最終営業年は1日に600人程度しか利用がなかったとの記録も残っています。
この利用者の少なさが決定的となり、1945年12月31日をもって、閉鎖されることになりました。
そのため現在の”ブルックリンブリッジ駅“は、閉鎖されたシティホール駅と統合されたという経緯があるため”Brooklyn Bridge-City Hall(ブルックリン橋-市庁舎駅)”と表記されています。
NYの廃駅でも特殊な存在
ニューヨークの地下鉄には、このような「使用されなくなった廃駅」が多数存在します。
駅間にかつて存在した駅は、表記が外され通過駅となっており、元の姿をとどめておらず。
もちろん立ち入ることも見ることもできません。(非合法的に立ち入る人が後を絶ちませんが…)
しかしこの駅は、なんと完全に当時の姿のまま残されている、まさに幻の廃駅!
そしてここからがもっとスペシャル。
このような保存状態が良い廃駅は、一般的には見に行けないような場所にあったり、厳重に保存されていたりするものですが、なんととある裏技を使えば、誰でも無料で簡単に見に行くことができるのです!
しかも、合法的に!
では、その裏技を教えしましょう!
合法的に見に行く方法
まずは6系統の始発、終点駅であり、先ほど紹介した、旧シティホールと統合された駅、”Brooklyn Bridge-city hall“駅まで行きます。
終点に到着した電車は、そのまま進行方向がスイッチバックし、折り返し運転するのが通常のパターン。
しかしこの駅では、終点列車(ダウンタウン行き)が一度引き込まれ、別のホームに戻り始発運転列車(アップタウン行き)となります。
絵で説明するとこんな感じ。
余計わかりづらいですか?すみません…(泣)
気を取り直して、もう一度文章で説明します!
折り返しループは電車のみが走行するルートであり、お客さんを輸送するルートではありません。
なので、終点に到着すると「みなさん、終点です。降りてくださーい!」というアナウンスが流れ、降車を促されたのち、扉が閉まります。
しかしこのアナウンス、さらっと行ったあと、車内確認などは行われず、すぐに扉が閉まります。
そのため、そのまま乗り続けていると、扉が閉まってそのまま発車していきます。
そうなんです。この引き込み線の上に”旧City Hall駅“があるんです!
旧シティーホール駅発見!
それでは乗りつづけた際に撮影した映像がこちら。
昼に行くと自然光が差し込むので少し明るいけど、夜は暗いので少し見えづらい。
そして車内からの動画/写真撮影は、どうしても反射で見えにくくて残念…
けっこうスピードが速く、一瞬で過ぎ去ってしまうので、目を凝らしてご覧ください。
【動画】【閉鎖駅】100年以上前の廃墟駅!ニューヨーク地下鉄旧シティーホール駅
いかがでしたか?見えましたでしょうか?
ただ閉鎖された駅を通過するだけで、業務用に使用している路線なので、アナウンスなどは一切なく、もちろん観光案内もありません。
1人で乗ってるとかなり不気味。というか結構怖いです(笑)
撮影をした日は、工事をしていたから?なのか、比較的運転がゆっくりで、しかも電気がついていてかなり明るかったですが、別日に訪問した際は、真っ暗な中現れたので、かなり薄気味悪かった…!
誰もいない電車に乗り、いきなり無人の廃駅が出てくるのにはびっくり。そして圧巻の豪華さが逆に奇妙でゾクゾク…
なので、工事のおっちゃんには癒されました(笑)
ちなみに工事のおっちゃんは、陽気に手を振ってくれました。見に来る人に慣れているんだなーといった印象。
海外では穴場スポットとして有名
実はこの旧シティホール駅は、海外では「気軽に行ける都市伝説スポット!」として有名で、プチバズリしているそうで、別日に利用した際は観光客の姿をちらほら見かけました。
海外のサイトなどでは、非合法で立ち入り、探索するYouTube動画なんかもあったり…
線路歩いて立ち入ってました…!それは罰せられるので、やめましょう!(笑)
決してオフィシャルではありませんが、合法的に行くことができるので、観光や用事ついでにサクッと見に行けるのでオススメです!
最後に|合わせて読みたい
今回は幻の廃駅「旧シティホール駅」のご案内でしたがいかがでしたでしょうか?
都市伝説的な建物ですが、アートを見に行く感覚で、そして気軽に行けるのでかなりオススメ!
廃墟/廃駅マニア出なくても、絶対楽しめる場所なので、ニューヨークに訪れた際はぜひ行ってみて下さいね。
ちょっとした肝試しみたいで楽しいですよ!
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