イギリスに入国し2日目。
グラスゴー旅行中に、歯に激痛が走りました。
こうならないよう半年かけ全ての歯の治療して、親知らずまで抜いたのに!
あの歯医者はヤブ医者だったのか…なんて考えても、もう遅い。痛いもんは、痛い。
というわけで今回は「イギリスで歯が痛くなった場合の対処法」と題して、私がどう歯痛に対処したのかについてと
- イギリスの医療システム
- 海外旅行保険について
- 無保険の場合の治療費
- 短期滞在の場合の切り抜け方
をまとめました。
私は医薬品登録販売者というOTC医薬品販売の専門資格を持っており、薬局で長年勤務をしていました。
イギリスで購入し、実際に試した薬で良かったものも紹介したので、虫歯・歯痛でお困りの方はぜひ参考にしてください。
【この記事の内容一覧】
歯の痛みは自然治癒しない
最初から残念な結論で申し訳ないのですが、歯の痛み(虫歯)は自然治癒しません。
頭痛、胃痛、風邪などの場合は、症状によっては自己免疫力によって回復できます。
しかし、虫歯の痛みは、治療するしか直す方法がありません。
長期で海外に行く場合は、必ず虫歯治療してから渡航することをオススメします。
日本と違うイギリスの医療システム
日本とイギリスでは医療システムが違います。
・国民健康保険に加入(必須)で医療費3割負担。
自分の症状にあった病院に自分の判断で、直接行くことが可能(歯科を含む)
処置は、当日すぐ行ってもらえる。
・医療費は無料
どんな症状であれ、最初は登録しているGP(General Practitioner、いわゆる「かかりつけ医」)に行き診察。
その後、GPが指定する専門医へという流れ。
GPでは処置を行ってもらえず、専門医に行くまで時間がかかる。
日本の場合だと、例えば「蕁麻疹だから、皮膚科に行って薬をもらおう!」と直接皮膚科に行き、当日に薬をもらって帰れます。
しかし、イギリスの場合は
\イギリスのプロセス/
GPへ行く
↓
蕁麻疹と診断され、皮膚科を紹介
↓
(後日)皮膚科を予約
↓
皮膚科に行く(薬をGET)
と、必ずGPを通さないといけないのです。
なぜ、このようなシステムかというと、専門医を圧迫させないために無駄を省く役割、そして自分が思い込んでいる症状から違う側面で見る、すなわち誤診を防ぐためもあるそう。
ちなみに、GPもすぐ行けるわけでもなく常に混み合っています。。
鼻水が出たら「あ、風邪かな」と内科に行く、胃が痛かったら「胃炎かな?」と胃腸科へ行く。
この「専門医を選ぶ行為」が、イギリスではGPの仕事。
日本人は自分自身でGPの仕事を行っているとも言えます。
ちなみに、緊急でないと判断されると、GPから次の病院までかなり待たされます。
日本人の感覚からすると、ちょっとめんどくさいシステムです。。
友人はアレルギーと確信しているのに、GPで風邪と誤診され、アレルギー科に行けなかったとぼやいていました…
歯科の場合はNHSというGPの歯科バージョンに登録をしないといけません。
旅行者はGPを利用できない
GPはイギリス在住者への制度。
ワーホリや留学でもGP登録を行うと、イギリス人と同じような医療制度を受けることができます。
しかし、旅行者や短期滞在者は、利用することができません。
緊急の場合はエマージェンシー、またはプライベートクリニックを利用することになります。
GPを通さず直接専門医へ行けるシステムですが、代わりにとても高額です。
大都市は日系クリニックも
イギリスでもロンドンなどの大都市は日系のプライベートクリニックがあります。
院内では日本語も通じるそうなので、日本人の強い味方。
ネットで探すとすぐに出てきます。
少し値段は張りますが、緊急の場合は言葉が通じる安心感を購入したと思えば、日系クリニックは精神衛生上オススメです。
実は私、カナダに住んでいた時にも、歯痛で大変な目にあったことがありました。(どんだけ歯が痛くなるんだよ!というツッコみは置いといて)
その時もトロント(大都市)に住んでいたので、日系歯医者を探すことができました。
無保険の飛び込みの虫歯治療で150ドルくらいだった記憶が。思ったより安かったですね。
治療費はなんと10万円!
歯が痛くなったのは、グラスゴー旅行中。
スコットランド最大の都市ではありますが、日系のクリニックが見つかりません。
グラスゴー人の友人に病院を調べてもらったりしたのですが、実は次の日にエジンバラ行きの電車の予約を行っていました。
自分自身もグラスゴーでの歯科治療は得策ではないと感じ、とりあえずロンドンの日系クリニックに問い合わせを行ったり、知り合いに聞いたりと情報収拾を行うことに。
そして、日系クリニックからの返答を見て驚愕。
なんと、虫歯の治療費は8万〜10万とのこと。
1本の歯の治療費で、この価格です…!
日本で保険治療だったら、初診料入れても3000円くらいではないでしょうか。。
日本に帰る方が安い場合も
最初に書いたよう、虫歯は自然治癒することはないので、歯医者で治療するしかありません。
たった1本の歯で10万円なら、ぶっちゃけ、日本に帰ってしまう方が得策。
往復航空券を足しても安上がりですから…
特に親知らずの場合はウン十万かかるとのこと!
アメリカに住んでいる私の友人は、ほとんどが一時帰国をして治療を行なっていました。
その方が、だんぜん節約になるとのこと…
短期滞在は薬で押さえ込め!
私の場合は、渡航前に約半年かけて全ての歯の治療を完了。
なので、痛みの原因は虫歯ではないという確信がありました。
そしてイギリスに来たばかり。というか、2日目(泣)
しかし、やはり我慢できない歯の痛さ。
どれだけお金がかかっても、この痛みが無くなるのなら払う!と腹をくくる。
とりあえず旅行中なので、ロンドンに戻るまでは、薬で痛みを止める作戦に出ました。
イギリスで購入可能の歯痛薬
私の場合、この歯痛は数ヶ月前に抜いた親知らず周辺で硬いものを噛み、何らかの炎症が起きたのが原因だと思われます。
というわけで「Orajel|オーラジェル」と「NUROFEN|ニューロフェン」を購入しました。
Orajel|オーラジェル(左)
痛いところに直接塗る局所麻酔。
歯医者さんで麻酔を打つ前に塗る薬と同じもので、海外では歯が痛くてたまらないときといえばコレなんだそう。
塗った途端にジンジンと痺れた感覚なり、効き目は抜群でした。
ちなみに薬事法では日本の薬局では購入できません。
NUROFEN|ニューロフェン(右)
イブブロフェンの解熱鎮痛薬。
日本の「イブ」や「リングルアイビー」と同じ成分です。
日本だと150mg〜200mgが最大ですが、海外だとそれ以上のものも販売されています。
イブプロフェンは胃を荒らす副作用があり、成分がキツすぎるのも怖いので、200mgまでのものをチョイスしました。
結果、この作戦が功をなし痛みが引きました!
薬を持っている安心感や、薬を飲んだことでのプラセボ効果も、理由の1つかもしれません。
お困りの際は、ぜひ試してみてください!
初期の痛みにはOrajel(オーラジェル)
炎症とジンジンした痛みにはNUROFEN(ニューロフェン)が素晴らしい効力を発揮してくれました!
薬については、【頭痛・生理痛にも】海外での歯痛はニューロフェン(Nurofen)とオーラジェル(Orajel)を試すべし!に詳しく書いています。
クレジットカード付帯の海外旅行保険もおすすめ
クレジットカードには海外旅行保険が無料付帯しているものがあります。
怪我や病気はもちろん、盗難補償もついているので、渡航前に1枚作っておくといいでしょう。
しかし、注意をしないといけないのが歯科治療。
クレカ付帯の海外旅行保険はほとんどが歯科治療は対象外。
渡航前に必ず確認をしておきましょう。
海外旅行傷害保険が無料付帯ならエポスカードがオススメ。私も利用しています。
実際にロンドンの宿泊先でパソコンを盗まれた経験がありますが、このカードを持っていたおかげで、保険金で買い直すことができました。
ちなみに年会費は永年無料です。
▶︎公式【エポスカード】
最後に|YouTubeはこちら
以上、イギリスでの歯痛時の対処法と、イギリスの医療制度についてでした。
お困りの方の参考になれば幸いです。
記事の内容はYouTubeでも更新したのであわせてご覧ください。
【動画】【グラスゴー】歯が痛くなり薬局へ|海外で買える痛み止めを医薬品登録販売者が解説
当日に撮影したので、とてもリアルです(笑)
旅行中に歯が痛くなると、頭の中が歯痛でいっぱいになって台無しに。
私はこの事件以来、歯痛用に「セデス・ハイ」を常備してます。
市販されている唯一のピリン系鎮痛剤。
日本から1つは持っていくと安心です。
イギリスの薬局については【イギリス】老舗薬局(ドラッグストア)!Boots(ブーツ)はロンドン生活の強い味方!に書いたのであわせてどうぞ。
そのために私も、半年かけて治療したんですが。。
こういうことも起きますよね(泣)